子どものこころとからだ発達医療部

当院では 2001年から発達特性のあるお子さんの療育に取り組んできました。

2025年で25年目を迎え、これまでリハビリテーション部の中で行ってきた活動を「子どものこころとからだ発達医療部」として新しく独立させました。

こころとからだはつながっています。お子さんが健やかに成長できるよう、これからもより充実したサポートを続けてまいります。

療育を始めた当初は、発達特性に対する理解がまだ十分ではなく、周囲から「わがまま」と誤解されることも少なくありませんでした。その後、法律や制度の整備が進み、社会全体で少しずつ理解が深まってきました。今では誰も取り残されない社会=共生社会の考え方が広がりつつあります。私たちもその一員として、お子さんやご家族を支えています。

療育を支える専門職チーム

当院には、子どものこころ専門医をはじめ、さまざまな専門スタッフが、それぞれの専門性を活かし、チーム全体でお子さんをサポートしています。

作業療法士(OT)
遊びを通じて体の動かし方や道具の扱い方、他者とのやりとりの仕方を支援します。
感覚の偏りにアプローチする事で、ご本人への支援と、ご家族や支援者へのサポートを行います。
自分らしさを大切にしながら生活を送れるよう支援します。

言語聴覚士(ST)
ことばや発音の練習、代わりのコミュニケーション手段のサポートなどを行います。

理学療法士(PT)
歩行や筋肉・関節の使い方に課題がある場合に対応します。

公認心理師
心理検査やご家族へのアドバイスを担当し、お子さんと面談することもあります。

ご家族へのサポートも大切にしています

お子さんの成長には、ご家族の力が欠かせません。そのため、療育の場での相談だけでなく、こんな取り組みも行っています。

  • いっぽいっぽ、いっぽにほ:子どもの発達に関係する感覚や認知機能について学ぶ保護者向け講座です。
  • 子育てプラス:お子さんや親御さん自身の良さ(強み)を再発見しながら、家庭でできる関わり方のエ夫を一緒に考えます。
  • 家族講座:子育てや発達に役立つ知識を保護者や支援者の皆さんと学びます。
  • アネシス:不登校に悩む親とお子さんが、親子の活動を通してエネルギーを充電したり、目の前の”今”を大切にしていけるような関りを学びます。

同じ立場のご家族と出会えることは、安心や新たなヒントにつながります。

病院だけでできることには限りがあるからこそ、学校や行政、福祉サービスと協力し、地域全体でお子さんの成長を支えています。

子どもたちを取り巻く環境は、少子化や生活習慣の変化などにより年々複雑になっていますが、私たちはご家族と一緒に考えながら、お子さんが安心して暮らせる道を探し続けます。

そして、これまで担当してきたお子さんたちが成長し、進学や就職を報告してくれる姿は、私たちにとって大きな喜びです。すぐに変化が見えなくても、長い目で見れば必ず成長していきます。

これからもスタッフ一同、ご家族とともに歩み、お子さんの未来を支えてまいります。