糖尿病のお話③ スポーツドリンクや炭酸飲料水の糖質についてご存じですか?
内科医師:糖尿病・内分泌専門医 関戸 恵子
厳しい夏の暑さは終わり、秋らしくなってきていますが、いかがお過ごしでしょうか。気象協会が発表した関東甲信9月からの3ヶ月予報も平均気温は、平年より高い確率が50%と、まだまだ暑い日が続きそうですね。
今回のお話は、暑いときに飲むことが多い、スポーツドリンク、炭酸飲料などの清涼飲料水が血糖に及ぼす影響についてです。
皆さんは、熱中症予防にどんな飲み物を飲みますか?スポーツドリンクや炭酸飲料、ジュースなどの清涼飲料水など様々だと思います。ここには思わぬ落とし穴があります。それはこれらの飲料水には糖質がかなり含まれているため、血糖値が上昇し、糖尿病の状態が悪化し、体調不良が引き起こされることがあるからです。
適切な水分補給として熱中症や脱水予防としては、糖分が含まれていない、お水や麦茶が適しています。カフェインが含まれているような、コーヒー、紅茶、緑茶には利尿作用があるので、水分補給としては適していません。スポーツドリンクについては、通常の生活の中で積極的に摂取する必要性はなく、血糖値が上昇するリスクがあるので、運動時以外の摂取については気をつけたいところです。
こちらは清涼飲料水中に含まれる糖質になります。
*大正製薬 糖質が見えるパンフレットより引用
これまでに海外論文で加糖飲料が健康に及ぼす影響については言われているところです。BMJという有名なイギリスの雑誌では、2023/5、加糖飲料を好む2型糖尿病の死亡リスクが高い結果がでたことを発表しています。(Beverage consumpition and mortality among adults with type 2 diabetes: prospective cohort study) 1日あたりの加糖飲料摂取頻度が1回増加すると総死亡リスクは8 %増加したようです。 ついつい手を伸ばしてしまいがちな清涼飲料水ですが、健康のためにうまく付き合っていきたいですね。