禁煙治療のすすめ

新年、あけましておめでとうございます。

年頭にあたり、皆様はどんな目標を立てられたでしょうか?

タバコを吸われる方には、今年は禁煙に取り組まれることをお勧めします。

禁煙の強い見方である、当院の禁煙治療について、今回はお話ししましょう。

タバコを吸うと、脳にニコチンが働いて、ある快感物質が増えます。
そして、この快楽物質が少なくなると、タバコを渇望するなどの、快楽物質切れの症状が出てきてしまいます。
これが、禁煙を難しくしているメカニズムです。

当院で用いている禁煙治療薬を飲めば、ニコチンの時より少量の快楽物質が出て、ニコチン切れの症状を軽くします。
また、脳でニコチンが働くのを邪魔するので、タバコを吸った時の満足感が得にくくなります。
この2つの働きで、禁煙を助けます。

禁煙治療薬は12週間お飲みいただきます。
12週間のうちに、禁煙を達成しても、
12週の最後までしっかり服用いただくことで、長期的な禁煙の成功率は高まります。

タバコの煙には4,000種類以上の化学物質と250種類以上の毒物もしくは発がん性物質が含まれます。
また、喫煙によりリスクが高まる病気には、肺の病気だけでなく、
脳卒中や骨粗鬆症、糖尿病、心筋梗塞も含まれます。

また、咳や痰が減った、食事がおいしく感じる等、
日々の生活の質も向上します。

タバコをお吸いの方は、ぜひ当院の禁煙外来で、
これらのリスクと決別し、健康な毎日を取り戻してください。

若い方も、禁煙治療を受けられます

従来、禁煙治療で保険適用を受けられるのは、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が「200以上」の場合に限られていました。

つまり、1日20本吸う人でも、吸い始めから10年経過していなければ、保険診療を受けられませんでした。

しかし、2016年4月から、年齢が34歳以下の人に限り、ブリンクマン指数に関係なく、医師にニコチン依存症と診断されれば、禁煙治療が保険適用されることになりました。

若い時に禁煙するほど、寿命への影響が少なくなるというデータもあります。

若い喫煙者の方々はこれを機に、ぜひ禁煙をご検討ください。

禁煙外来のご案内

第190回全国禁煙アドバイザー育成講習会

2015年10月25日に高崎健康福祉大学にて開催された
「第190回全国禁煙アドバイザー育成講習会」に参加してきました。

当日のプログラムは、次のようなものでした。

KKEシリーズに学ぶエビデンス
    さいたま市立病院  舘野 博喜
禁煙支援最新情報
    奈良女子大学  高橋 裕子
禁煙支援の秘訣
    禁煙マラソン  三浦 秀史
手ごわいスモーカーもその気にさせる禁煙支援のノウハウ
    奈良女子大学  高橋 裕子
Q&A
    講師全員

どれも日々の禁煙治療に役立つ、有意義な内容でした。

当院の禁煙外来のご案内

禁煙治療を成し遂げるために

当院での禁煙治療は、12週間が標準ですが、
何週目かによって、心に留めていただきたいことは異なります。

(ニコチン切れ症状の出る時期、最もつらい時期、
禁煙効果が出てくる時期などなど…)

当院では、このような週ごとの経過に沿った禁煙治療を心がけています。

禁煙をお考えの方は、ぜひ当院にお越しください。

当院の禁煙治療のご案内

禁煙は、防ぎうる入院を減らします。

予防などによって回避できる入院のことを、防ぎうる入院と言い、

原因となる慢性疾患としては、COPD、糖尿病合併症、心不全、狭心症などがあります。

2015年のオーストラリアでの研究によると、

喫煙は、上記疾患のうち、COPDによる入院のリスクを7倍、

その他の疾患での入院リスクも25~41%増やしたそうです。

また、喫煙期間が長いほど、喫煙本数が多いほど、リスクは増えました。

禁煙により、入院リスクは減少し、禁煙を続けるほど、リスクは減少しました。

何歳から禁煙しても、入院までの期間は延びたそうです。

今からでも、遅くはありません。ぜひ禁煙に取り組み、防ぎうる入院を避けましょう。

禁煙外来のご案内

Drug Alcohol Depend. 2015 May 1;150:85-91. doi: 10.1016/j.drugalcdep.2015.02.028. Epub 2015 Mar 4.
Smoking and potentially preventable hospitalisation: the benefit of smoking cessation in older ages.
Tran B1, Falster MO2, Douglas K3, Blyth F4, Jorm LR2.

 

 

 

禁煙治療のすすめ ~「禁煙支援リーダー研修」に参加して ~

禁煙治療薬(内服薬)が保健適応となり、外来で安価でしかも楽に禁煙ができるようになりました。当院は2008年4月より禁煙外来が発足し、内科医師が診療にあたっています。

そのような経緯に伴い今回、「看護師としての禁煙支援」を学ぶ研修会に参加しました。禁煙外来での支援は医師だけではなく他業種が協力して声がけしていくことが禁煙率UPにつながっている事を学び、更に看護支援の必要性を認識することが出来ました。

そこで患者様が知りたいと思っている情報や知っていただきたい情報(薬の副作用・タバコが吸いたくなったときの対処法・禁煙のメリット・秘訣など)をパンフレットにしました。このパンフレットを5分程度で面接をさせていただく中でご説明し、お渡ししています。

「禁煙」という目標は1つですが患者様の背景は様々でそれに添った支援は難しいと痛感しています。患者様が自信を持って禁煙を続けていただけるようにお力添えできればと思っています。

禁煙に興味の無い方、禁煙をあきらめてしまっている方にこそ知っていただきたいことがあります。喫煙習慣は「ニコチン依存症」という病気なのです。

ひとりで意志の力のみで禁煙に挑むのはつらい事です。でも禁煙外来を受診し内服薬を使用するなどきちんとした方法で禁煙治療を行えば思ったより楽にタバコを止める事ができます。

いつか「タバコを止めたい!!」と思ったときは禁煙外来を思い出してください。私たちがしっかりと支援させていただきます。まずは気軽に受診をしてみてください。

外来看護師 林部