令和5年4月17日(月)長野保健医療大学で「回復期医療における多職種連携」というテーマで講演を行いました。

理学療法士 石丸 修

令和5年4月17日(月)長野保健医療大学にて「回復期医療における多職種連携」というテーマで、理学療法士の石丸修(回復期セラピストマネジャー)、看護師の宮澤里江(回復期リハビリテーション病棟看護師長)、作業療法士の木村香月(訪問リハビリテーション)の3人で講演を行わせて頂きました。当日は、看護学科・理学療法学科・作業療法学科の4年生(147名)に参加して頂きました。

回復期リハビリテーション病棟における日々の退院支援は、患者様ご家族を含めた多職種で行われており、当院の紹介を含めて、多職種連携業務についてお話しさせて頂きました。長時間の講義とシンポジウムにもかかわらず、学生から積極的に質問もいただき、私達にとっても日々の業務を振り返る良い機会となりました。

回復期リハビリテーション病棟での多職種連携は、長く続く生活期へのスムースなバトンタッチと、退院後の必要な医療的フォローのプランを立てることも含まれます。障害を負いながらも、住み慣れた地域で、少しでもその人らしい生活が送れて幸せを感じていただけることを、スタッフ一同考えて日々業務にあたっていることを伝えさせて頂きました。この講演を聞いて、一人でも回復期病棟で働きたいと思って頂ける方がいれば幸いです。

このような機会を与えていただいた、長野保健医療大学の関係者の皆さま、ありがとうございました。

痙縮治療・リハビリテーションオンラインセミナーに 当院理学療法士の長田豊が発表しました。

2022年8月20日(土)帝人ヘルスケア株式会社主催のオンラインセミナーに、当院から理学療法士の長田豊が演題発表を行いました。テーマは「痙縮治療について~生活期の課題を医療へ~」で、当院で行われている脳卒中片麻痺の後遺症への痙縮治療の現状報告をさせて頂きました。

当院では、入院中(亜急性期)から在宅生活(生活期)の患者様に対して、脳卒中後の後遺症である手足の痙縮に対して治療を行っています。運動麻痺のある手足にピンポイントで注射し筋肉がやわらかくなったところでリハビリを行うと、その効果が高まることが期待されます。以下のデータ(令和4年は6月までの件数です)が当院の治療実績です。

当院の痙縮治療を行う目的は、以下の通りで、それぞれ治療目的が異なるため、患者様とご家族に目的と期待される効果を検討しながら、治療を行っています。

「痙縮治療の目的」

① 手足の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなる

② リハビリテーションが行いやすくなる

③ 関節が固まるのを防ぐ

④ 筋肉の痛みをやわらげる

⑤ 介護負担軽減につながる

痙縮治療で重要なことは、生活目標をご本人とご家族で共有することと、その後の定期的なフォローになるので、患者様の利便性を高めるために、必要な体制作りを続けていきたいです。

食べること・飲み込むことについて

当院では、嚥下障害の方を対象に飲み込みの訓練だけではなく、スクリーニング検査や嚥下内視鏡検査(VE)、嚥下造影検査(VF)などの検査を行い、安全にお食事ができるよう評価・訓練をしています。 嚥下内視鏡検査とは、鼻から内視鏡を入れ、喉の奥を映像に写しながら食物を飲み込んでもらう検査です。喉の形や動き、衛生状態がわかるだけではなく、食べ物が喉を通る様子や、どのくらい喉に残るか等がよくわかります。

(言語聴覚療法技術ガイド 参照)

嚥下造影検査とは、造影剤を含んだ食べ物を実際に食べてもらい、レントゲンに映しながら、口や喉・食道の動きを確認します。食べ物を口に入れてから飲み込みまで、一連の流れを観察することができる検査です。患者様に合わせた評価・訓練を実施し、日々、飲み込みの機能の維持・向上図っています。また看護師介入での摂食機能療法も実施しており、チームで統一した介入が行えるようになっています。

当院でのVEの様子

脳卒中後の作業療法について当院での取り組み

当院における作業療法というリハビリテーションの内容を一つ紹介します。作業療法では退院後の生活に向けて仕事の練習や調理などをします。しかしながら、麻痺により肩や手が思うように動かせなくなり、仕事や調理といった作業が出来ない方がいらっしゃいます。そのため、まずは患者様が今まで生活で行なっていた形に近いやり方で手の訓練などを行なっています。今回はその手の訓練の一場面を紹介します。これは箸で物をつまむ際の練習風景の一場面です。

図1.箸操作訓練の様子①

 このように作業療法で主に使うのは積み木やお手玉、鉛筆、パソコンといったご自宅にもあるような道具です。それらを患者様一人ひとりにあったやり方や難易度で練習をしていく事で、「箸でご飯を食べること」や「自分の名前を書く」といった動作ができるようになってきます。また、患者様と話し合いながら自主トレを作成し、退院後もご自宅でリハビリができるようサポートしています。

脳卒中後の患者様に対する理学療法について当院での取り組み

 当院では重度の麻痺がある方に対し、備品の長下肢装具(図2)を使用し、立位・歩行訓練を早期から行う事に取り組んでいます(図1)。長下肢装具を使用する事で、麻痺した脚で体を支える事ができるため、より早い時期から歩行練習を行う事ができます。また、ご自身の体にあった装具の方がリハビリの効果得やすいため、オーダーメイドの装具の作製をお勧めしています。長下肢装具はリハビリで使用し、病棟生活では上の部分を取り外して短下肢装具として使用します。

図3.オーダーメイドの長下肢装具

その他、様々な評価用の装具を揃えており、より自分に合った装具を作製することができます(図4)。

                 図4.備品の短下肢装具の一部

クリスマスのはつらつカフェ

12月のはつらつカフェを開催しました!

当院回復期病棟にて、月に1度のカフェを開催しました。12月24日という事で
コーヒーに加えて特別にクリスマスカラーのシフォンケーキを振る舞いました!

皆さま早々に集まられ、楽しんでおられます。

はつらつカフェは毎月、月末の金曜日に当院の回復期病棟にて開催されております。
来月は1/28(金)に開催予定です!

クリスマス

12月、食堂にクリスマスの飾りつけ

いろいろな形の雪の結晶    患者様も切りました。

さて、次の作品は?

第6回公開研修会を終えて

竹重病院 回復期リハビリテーション病棟
理学療法士 石丸 修

 令和元年11月9日(土)に当院研修棟ラベンダーホール2階にて、公開研修会が開催されました。今回は「生活期の課題を医療につなげる~手足のつっぱり(痙縮)について~」というテーマで、北信地区のケアマネジャー、理学療法士、作業療法士、福祉用具専門相談員を中心に、当院スタッフ、さらに当事者(当院退院された患者さま3名)を加えて48名の方に参加していただきました。

 第1部では、「痙縮とは?その治療法とリハビリテーション」という内容で、当院浅野医師より講義がありました。脳卒中後遺症である手足のつっぱりの生理学的機序やその治療法(ボツリヌス治療)、その後のリハビリテーションの重要性を、当院の取り組みを交えての内容でした。また、北信地区の病院の痙縮治療の取り組みについても、参加者されていたセラピストから話をいただきました。生活期の課題は「痙縮」のみではなく多岐にわたり、装具・嚥下栄養障害・筋力低下などの生活不活発病・高次脳機能障害など、低下していく機能をどのようにフォローしていくかが重要であると思われます。「それを見出すのは誰か」、「どのようにつなげていくか」、「どのような窓口が必要なのか」が、生活期の課題を医療につなげるためには重要ポイントであるという内容でした。

 第2部では、実際に痙縮治療を行った事例を3例ご紹介させて頂きました。当院入院中に痙縮治療を行った方、退院後に行った方、脳卒中発症後14年経過して治療を行った方の事例報告を、動画を交えて、報告させて頂きました。それぞれ治療時期は異なりますが、生活目標を達成するために、何が課題で、それに対してどのような方法があるか、治療の結果はどうであったか、さらに続けるか…などを本人・ご家族を含めたチームで吟味して、情報共有していくことが重要であると思いました。今回取り上げている痙縮治療は、その生活目標を達成するための手段のひとつで、今後いろいろな方策が提供できればと感じました。

 第3部では、「生活期の課題を医療につなげる」というテーマを、以下の視点からディスカッションしていただきました。

①生活期から医療につなげた例はあったか?

②もしあればどのような例があったか?

③どのような職種が関わったか?

④当事者は誰に最初に相談するのか?

⑤どのような窓口が必要と思われるか?

⑥誰がどのようにつなげるか?対象者を見出すのは誰か?

 多職種によるさまざまな意見交換が行われ、医療機関へ希望する取り組みとしては、「解りやすい窓口の設置(〇〇外来など)」、「積極的な情報発信」などがありました。患者・利用者様のために、立場の違いを超えて意見交換ができることが重要で、訪問リハビリスタッフの積極的な利用により、対象者を見出すことが可能となるのでないかという意見もいただきました。また、かかりつけ医との連携にも課題があるとの意見もいただきました。

 今回の研修会で、生活期の課題を生活目標まで掘り下げて支援するために、在宅支援スタッフは対象者を見出すための知識や方法を得ること、医療機関は受け皿としてその窓口を用意することなど、医療介護双方の課題の一部を確認することが出来たと思います。今回皆様から頂いた貴重な意見を、次回の研修会につなげていき、さらに「生活期の課題を医療につなげる」というテーマを掘り下げていきたいと思います。ご参加していただいた皆様、ありがとうございました。


クリスマス会を開催しました♪

12月14日、当院クリスマス会が開催されました。今回で3回目の依頼でしたが、快く引き受けて頂き、今年もゴスペルグループのジェントルサウンドクワイアさんによるゴスペルの披露と合唱で盛り上がりました(^^♪

ゴスペルを初めて聞いたという人は、「迫力に圧巻された!」とおっしゃっていました。

最後は、患者サンタ🎅さんから素敵なお礼がありました☆

来年も素敵な年になりますように!!